犯罪症候群

犯罪症候群
この作品、凄く面白いです！
元刑事だった主人公がルポライターとして、普通の刑事では出来ない方法で事件を解決していくのですが・・・
なんでしょう・・
犯罪者よりも、犯人を追っている・・
というより、主人公を利用して犯人を負わせている刑事の方が悪魔としかいいようがない・・
心のない人間・・・。
犯人を追い詰めるためなら犠牲も厭わないし、利用できるものは利用して、一般人を騙しておとりにしたり・・
それによる被害が出たとしても、犯人が捕まれば被害者ありなしなんて関係ないという・・
最早、ここまでくると正義なんて言葉には出来ない行い・・。
そして、そんな男に主人公へと向ける言葉・・
貴方も犯罪者達と同じく獣が巣くっている・・早く開放しなさい・・
なんて言葉にするけれど・・
妹を殺されて、その相手を憎み、殺意を抱いてしまうことが罪だというのなら・・
犯罪者を捕まえるために他の人を平気で犠牲にしようとするこの男の行為だって、十分罪になるのではないか・・
と、ふと思ってしまう。
勿論、人が人を殺めることは、どんなことであっても罪は罪です。
でも、それは結果、その殺意を実際に行動にするか、しないか・・
主人公は、その重い想いと葛藤しているのです。
たった一人で抱えて・・
本当の犯罪者は、そんな罪の意識になんて囚われない・・
たった一線を越えるか超えないかが全てなのではないか・・・と、思います。
そういった主人公の心の葛藤、苦しみ・・
それを背負いながら、二度と妹のような被害を出さないように、本当に、必死に、必死すぎるくらい必死に、犯人を捕まえようと・・・
その必死な姿が・・
正義と悪、ギリギリの境界線で戦う主人公の姿に酷くひきこまれてしまう作品です。
当時、生放送の時は興味のあるキャストが一切いなかったので、スルーしてしまっていましたが・・
やはり、刑事系のドラマは、私には妙にあっています。
今回は単純に正義と悪に対しての線引きが複雑でもありますが・・
その葛藤が又面白いんですよね。
犯罪をおかさないために、市民は協力しなきゃいけないけれど・・
でも、ようやく手に入れた幸せ・・自分一人ならいい、けど、家族を巻き込まれるのは嫌だ・・
そういって、主人公の犠牲者をだしたくないから協力してくれ、という必死の訴えを、泣き、謝罪しながら拒む人々・・・
そんな様子見てると、両者の気持ちが理解できて、どちらが間違いでもなくて・・
そんな、複雑にも共感させられてしまうシナリオと物語展開がたまらなく面白い！
今までの刑事物とは少し違う・・
小栗のボーダーをリアルな感じにした雰囲気に近くもあるかな？
なんて思いつつ・・・。

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